歴史と伝統ある灯篭流し・万灯会がデートにおすすめ!石川・中部地方
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日が落ちると蝋燭の灯が連なる景色は、とても幻想的なものです。
お盆休み中にデートをすべく故郷から早めに戻られる方は、送り盆の万灯会がデートにおすすめ。
ちょっとバチあたりな気持ちになってしまうかもしれませんが、寺社で仏様へのお参りをしつつ、お互いのご先祖様への感謝を持ってデートするのも、なかなか乙なものです。
今回は、石川県をはじめ北陸地方で開催される万灯会をご紹介します。
灯ろう流しは、テレビドラマの題材にもなるほど有名な行事で、川に灯篭を流す風景をテレビを通して見たことがあると思います。
一方の万灯会ですが、イメージがつかないかたもいらっしゃることでしょう。
お盆やになると、寺社に何千個もの灯ろうが並ぶ風景を見たことはありませんか?
何かのお祭りと思いきや、万灯会の可能性があります。
万灯会とは?
出身地に万灯会の習慣がなかったり、30歳以下の方には耳にする機会もないと思います。
一回り以上年上の方とお付き合いしている方や、交際クラブ・デート倶楽部の男性会員に多い年代なら、きっとご存知の方も多いはず。
何と読むかもわからない方に、簡単にご説明しましょう。
読み:まんどうえ。
書き:万燈会・萬燈会と書かれることもあります。
万灯会の意味:懺悔滅罪(今までの罪を悔い改めて、受けてきた様々なご恩に報いる)のため、たくさんのの灯明(神仏に供える灯火)を点して、仏菩薩に供養する行事のことです。
日本では、7世紀中頃から始まったとされており、奈良時代には薬師寺や東大寺でも行われるようになりました。
百万石まつりの灯篭(とうろう)流しはとても有名ですが、残念ながら2018年の火災が起きてから中止が続いています。
ですが、さすが加賀百万石。歴史ある都市だけあり、灯篭しの文化がまだまだあります。
中でもおすすめの灯篭し・万灯会をご紹介します。
【石川】倶利迦羅不動寺 万灯会と灯籠流し
河北郡津幡町倶利伽羅にある不動寺で、寺の名前がそのまま地名になりました。
1999年から毎年8月15日開催(台風など天候によっては変更)
参照元:倶利迦羅不動寺HPより
倶利迦羅不動寺(くりからふどうじ)は、高野山真言宗の別格本山で、万灯会と灯ろう流しは、毎年鳳凰殿で行われています。
当日、お堂から境内に数えきれないほど灯明がお供えされます。
灯ろう流しは川ではなく境内にある大心池で行われており、故人への送り火として自分達の手で流します。
幻想的な風景を見るために地方からわざわざ訪れる人もおり、フォトコンテストが開催されるほどです。
参照元:倶利迦羅不動寺HPより
【石川】やましろ万灯会
毎年8月16日送り盆に、薬王院温泉寺から万松園周辺に渡り万灯が並びます。
薬王院温泉寺のあるエリアは山代温泉です。宿泊先もお探しの場合、温泉地で調べたほうがスムーズでしょう。
さて、山城汚染は聖武天皇の御代(行基菩薩)が、白山登錫の途上霊鳥の指授により発見した温泉と言われています。 その温泉守護のために、薬師如来・日光の両菩薩や十二神將の堂宇を建てた事、そして白山大権現を鎮守とされたのが薬王院温泉寺の始まりです。
当日は、森を通る寺院までの道のりに柔らかな蝋燭が灯り、優しくも幻想的な灯りに包まれた小路になります。
薬王院温泉寺からほど近くにある山代温泉温泉通り商店街では、万灯会の前後1週間ほど夏お祭りを開催します。
万灯会と一緒に、縁日や抽選会などお祭りの気分も一緒に楽しめます。
長野県といえば、冬季オリンピック開催地や270か所以上の文化史跡・遺跡が残る土地です。著名な文豪や研究者も多く、軽井沢など富豪に愛された別荘地が今なお残っています。
そんな信州各地で開催されている灯ろう流しは、歴史が長いものが多いです。なかでも市田の灯篭流しが一番古い歴史を持ちます。
【長野】市田灯ろう流し大煙火大会
高森町下市田ダサラ明神橋周辺にて 毎年8月18日開催・花火大会も同時開催。
天竜川の水害犠牲者供養として始まった灯ろう流しは、80年以上も続いています。
また、同時開催の花火は2000発も上がり、5万人近い人が市田に訪れます。
当日は、18時から明照寺にて法要があり、つづいて天竜河畔で法要が行われたあと、花火大会が行われます。
灯篭流しは川施餓鬼(かわせがき)とも呼ばれているので、スケジュールを見た時に困ってしまうかもしれません。
灯ろう流しをしている間に、花火が始まるようなスケジュールです。
【長野】飯田時又灯ろう流し
長野県飯田市時又 天竜川時又港 毎年8月16日 花火と同日開催
昭和初期から新盆供養として始まり、後に始まった納涼花火大会を同日開催するようになりました。
市田と同じく総打ち上げ数約2000発の花火同時開催で、5万人の来場者が集まります。
灯ろう流しも花火も天竜川時又港で開催されます。
南信州飯田地方で開催される花火大会では最大規模。灯ろう流しも大がかりです。
夜空に花火が打ち上げられるなか、河辺では読経に合わせ灯篭が天竜川を流れていきます。読経と花火の組み合わせがなんとも新鮮です。
来場者数が多いので、周囲に知人がいたとしてもお互いに気づかないほど。
交際クラブ(デートクラブ)会員にも、交際を隠したいカップルの旅行デートならおすすめです。
【長野 甘楽郡】宝積寺 万燈会
群馬県甘楽郡甘楽町の宝積寺で毎年盆入り(迎え盆)に開催されています。
年間を通じてさまざまな催しを行っていますが、宝積寺の万燈会は全国的にも有名です。細かい彫刻を施した竹の灯篭が特徴的。境内には灯籠・行灯・ガラス灯籠など合わせて4,000基にもなります。
参照元:曹洞宗 鷲翎山 宝積寺JPより
春と秋にも宝積寺で一見の価値あり!というスポットがあります。それは、関東一の桜と称される、樹齢約140年のしだれ桜。そして樹齢は約300年。高さ30メートルの巨大いちょうの木です。
【富山】千保川灯籠流し祭
高岡市千保川横田橋付近 毎年送り盆の頃に行われています。水の神さまへの治水祈願と、水難犠牲者供養のために1914年から始まりました。
橋田橋付近から流される灯篭は5000個以上にも及び、大規模な灯篭流しです。それだけに、見ごたえのある景色を見ることができます。
だんだんと灯ろうの灯が浮き上がっていく、日が傾いてきた時間から日没後まで河辺で過ごすのがオススメ。
灯篭流しが行われる千保川は、富山県高岡市を流れる一級河川で、4kmに及ぶ川沿いの遊歩道はサクラ並木が有名です。
【福井吉田郡】永平寺 大燈籠ながしと冬の燈籠まつり
毎年8月後半に九頭竜フェスティバルと同時開催されています。前日からコンサートや子供向けイベント開催され、灯ろう流し同日は花火も打ち上げられます。そのため、なんと全国から3万人近くも来場者がいる行事です。
法要の後に九頭竜川に流される灯篭は1万個!スケールが違います。
供養燈籠と願い燈籠の2種類があり、当日購入してご自分で川に流すこともできます。
参照元:永平寺大燈籠ながし 公式HPより
また、曹洞宗大本山永平寺で行われる法要は、100人もの僧侶が集い、鳥肌が立つほど厳か。
これほど壮大な法要に参加できるだけでも、貴重な体験ですよ。
永平寺では冬にも灯ろう祭が開催されます。「冬の燈籠まつり」毎年2月下旬~末頃に開催。
夏が花火と灯ろう流しなら、冬はライトアップと参道の燈籠で幻想的な世界を映し出します。
その年の積雪の影響もあるでしょうが、通用門から山門に至る外観ルートが特別に開放されます。ライトアップは山門をはじめ瑠璃聖宝閣・唐門・報恩塔・鐘楼の5つも伽藍がライトアップされるので、見ごたえ十分です。
【新潟】岩室温泉 矢川灯篭流し
冬妻蛍(ひよつまほたる)が飛び交う自然豊かな岩室。
ほたるが見れる少し前、6月中旬の開催に開催されます。温泉街を流れる矢川 (岩室橋~よりなれ橋) は細い川で、600個ほどの灯篭、回収されるまでの距離が短いなど、迫力はあまり感じられないかもしれません。ですが宿泊デートにおすすめ!
理由は「温泉地」「米どころ」「酒どころ」なので、地元グルメを堪能しながら、大自然と灯篭流しを楽しめる点です。灯ろう流しと蛍の両方見れたらいいのですが、若干時期がずれるのが残念。
蛍は6月中旬から7月上旬に見ることができます。