交際クラブ掲載日/2018.11.05

パパの応援が生活の支えだけじゃなく心の励みに

私はアイドルを目指しています。
正確に言えばご当地アイドルまでいかないような最下層のアイドルをやっています。
いずれはメジャーなアイドルに、と思ってレッスンに励んでいるのですが、正直言ってお金はほとんどありません。
イベントに出たってお客さんはチラホラ、子供を連れたおじいさん、おばあさんしかいなくて、モチベーションすら維持するのが大変なんです。
そんな状態ですから、グループのメンバーの仲もあまりよくなくて、嫌みを言ったり無視をしたり、本当にギクシャクしていました。
私もつい嫌味を言ったりしていましたから。辞めちゃおうかな、と思うこともあります。

お金がないのでアルバイトをして、レッスンをして、本当に大変な日々でした。
お笑い芸人が売れるまでアルバイト生活をしている、それとまさに同じです。
体も心もヘトヘトで挙句の果てにお客さんはいませんから、どんどんやる気が失せていく、それがお客さんにも伝わってしまいますます人気がなくなる、っていう一番ダメな悪循環になっていました。

そんな時、生活費が本当に困って登録したのが交際クラブ・デートクラブでした。
デートをするだけでお小遣いをもらえるという甘い言葉に誘われて登録してみました。

Sさんとの共通点

そこで出会ったのがSさんです。
Sさんは40歳後半くらいの方でした。
私の父親くらいの年齢の方ですから、話が合うのかなと不安になりましたが、意外と気さくな方でしかもドラマとかもスマホで観ているらしく、年齢の割には気持ちが若い方でした。

実は私、無料オンデマンドにハマっていて、昔のドラマとかを見て楽しんでいたんです。
今のドラマも面白いですけど、昔のドラマの方がなんかいいんです。
携帯もない時代だったようで、恋愛ドラマなんてもうもどかしくて仕方がありません。

私からしたらかなり昔のドラマなんですけど、それがまたSさんの青春時代そのものみたいでその話で盛り上がりました。
ちょうど見たばかりの『101回目のプロポーズ』なんて、本当にイライラとドキドキとあって、あり得ないこととかも。
主題歌の『SAY YES』もドラマにマッチしていてすごくいいですね。
今では考えられない素敵なシーンがありますよね。
Sさんも『あぁ、俺もう達郎（武田鉄矢演じる主人公）よりも年上なのかぁ』とがっかりしていました。
達郎にはときめきませんでしたけど、Sさんは素敵ですけどね。

アイドル・カミングアウト

パパになってくれた瞬間

そんな話で盛り上がったからなのか、Sさんは私のパパになってくれたんです。
何かの拍子で『アイドルを目指している』って話したんです。
そして、Sさんはとても聞き上手で頼りになる人だったので、つい辛くて諦めようと思っている、という悩みも打ち明けてしまいました。
Sさんに言ってもどうしようもないんですけどね。

するとSさんは「きっと大丈夫だよ。言っちゃ悪いけど、アイドルは今しか目指せないんだから、悔いが残らないように頑張りなよ。生活はサポートするから。少なくとも僕は○○ちゃんのファンだから」と言ってくれたんです。
もちろん、社交辞令かもしれませんが、応援してくれる人がいるってことは本当に頑張れるなぁと思いました。

それからSさんが何かと援助してくれました。
おかげで生活の面は何とかなって、アイドルのレッスンに集中できるようになりました。
それどころか、エステにも行ったほうがいいよ、とエステも契約してくれたんです。
そして美容室も。
支払いはSさんで、いつでも無料で通えるように手配してくれました。
そこでSさんが言ったのが「アイドルだったら当たり前だからね。○○ちゃんもアイドルなんだから」と。

自分ではアイドルという言葉にちょっと引け目を感じていたので、Sさんに言ってもらえてどこか吹っ切れたような気がしました。

陰のリーダー

Sさんのおかげで、定期的にエステと美容室に行くようになり、そしてアイドルとして一応自覚をもって頑張れるようになってきました。
そのせいなのかわかりませんが、ライブをすると少しづつお客さんが増えてくるようになってきました。

そうなると、やっぱりモチベーションも上がってきますし、メンバーとの仲も良好になってきています。
メンバーでここはこうしたらいいよ、ここはこの方がいいかも、とアドバイスしあえるようになりました。
大人の男性とデートしているからなのか、いつからか私がうまくみんなをまとめるようになり、陰のリーダー的な存在になっています。

もちろんメジャーなアイドルではないですけど、やっとスタートラインに立てたような気がします。
それもこれも私をしっかりサポートしてくれているSさんというパパがいるからに他なりません。
パパと出会わせえてくれた交際クラブ・デートクラブにも感謝です。

初めて会った時に、お互いのことは詮索しないようにしよう、という決まり事をしていたので、パパも私のアイドルグループ名も知りません。
そしてアイドルの名前も違うのでわからないと思います。
ただ、先日偶然何かのイベントで会場に行ったら、会場にSさんの姿を見つけました。
後から聞きましたが、本当にたまたま通りかかって何気に見たら私でびっくりしたって言っていました。
もちろん手を振るなんてことはしませんでしたが、気持ちはジャンプして両手で手を振りたい気持ちでした。