江戸時代の方が恋愛に大胆だった！？

現代の当たり前は当たり前じゃなかった。
私自身が子供の頃には、両親は父母1人ずついるのが当たり前と思っていましたが、小学校も中学年くらいになると、お父さんはいない？お母さんはいない？お父さんが変わる？と、様々な家庭の事情という存在を知り、高校生になる頃には愛があろうがなかろうが子供はできると理解しました。
親が自由恋愛をしていると言う友人もチラホラ現れ、大人になれば色々自由なんだなぁと感じたものです。
私のような方はアラフォー世代に多いのではないでしょうか。

先日、交際クラブ・デートクラブで知り合った年上男性とのデートで、ティーンエイジャー時代に抱いていた疑問を聞いてみました。
一夫多妻制の国があるのに、日本はなんで一夫一妻制なのかと…。
そうしたら、一夫多妻制の国はかなり多いからねと言われてビックリしました。調べてみたところ世界の結婚制度を文化圏別にみると、一夫一婦制度は2割弱で、一夫多妻制度や一妻多夫制度が8割なのだそう。
こんなに大差があると思いませんでした。

完全な一夫一婦制の国は、日本・アメリカ・西欧などの先進国（主にキリスト教圏）だけ。
日本も過去を遡ると一夫多妻制でしたよね？
将軍家には側室が必ずいましたし、それ以外にも大奥に勤める女性と寝屋を共にしたり…浮気や不倫という概念がなかったのでは？と思うほど。
武士を始め大地主や権力者にもお妾さんがいたり、偉い地位なら複数の女性がいて当然だったのに、なぜ一夫一妻、不倫も浮気も処罰！という時代になったのか、気になったので更に調べてみました。

■日本は圧倒的に一夫多妻制の歴史が長かった

万葉集などを見ると庶民は一夫一婦制で、万葉時代の庶民は現代の結婚生活と似ていたようです。
考古学者春成秀爾の著書によれば、縄文時代は一夫多妻や多夫一妻だったが、弥生時代に一夫多妻に絞られたとあります。
また、日本列島にいた民族や住民の倭人（日本人）について書かれていた魏志倭人伝には、大人皆四五婦下戸或二三婦との記しがあり、3世紀頃も一夫多妻制だったとわかります。
ただし、妻の労働力を増やしたいという目的で、複数の妻をめとっていたようですね。

ちなみに中国では、妻妾という言葉があり、妻は一人だけ認め地位を高くし、後は妾とし、たくさんの配偶者がいたそうです。
日本に一夫一婦制の意識がもたらされるのは、1549年以降キリスト教の影響からです。
当時は戦国時代…複数の妻がいるのが当たり前の時代です。
戦国時代にルイス・フロイスが布教活動をしていましたか、純潔を守ることの大切さを説いても、日本では誰も聞く耳を持たないと嘆いていたそうです。
時は過ぎ江戸時代には、幕府が公布した江戸市中法度に、既婚女性の不倫は「不義密通」という重罪で、相手の男性ともども斬首の刑とありますが、実際には告発されるようなことは少なく、相手側の男性が女性の夫に示談金を支払い内密に事をおさめるのが普通だったそう。

制度として取り入れられたのは明治憲法からです。
随分と長い時間がかかりましたね。

以前は、妻とか妾とかの言葉があるだけで、法律はなかったのですが、開国後に欧米文化を積極的に取り入れると同時に、一夫一妻制の導入となりました。
財産相続権や付与権を妻以外には認めていませんが、何故か妾を持つことに関して書かれておらず、なんともフワッとグレーな感じで不倫文化が残ったのではないかと思います。
結婚したら浮気は絶対ダメ、という貞操観念を浸透させましたが、女性には厳しいだけで、既婚男性が未婚女性と関係を持ってもお咎めもなし…男性は不倫を容認されている時代だったのですね。

現在は明治民法が延長され、愛人は結婚生活を破壊するとして、裁判になれば相手の妻に慰謝料を支払わなければならないと厳しく決められていますね。
皇室でも側室制度を廃止したのが大正天皇以後で、法律より側室制度廃止をきっかけに、庶民に浸透していったようです。
そんなわけで日本の一夫一妻制は100年程度の短い歴史なのです。

■既婚女性の浮気率が高い時代もあった！

その昔の庶民…今で言う一般家庭の奥様が堂々と不倫に走っていた時代があったそうです。
それは江戸時代です。
この時代の性愛は、現代より格段にフリーダムであったのですが、ちょっと変わっていて、人妻に手を出すことは大変非常識なのに、妻はある時期がくると不倫に走っていたそうです。
それは参勤交代で1年も夫が家を空けてしまうためで、落語でも間男として話がありますが、正しくそれです。

300名ほどの夫がその地域から一斉に出掛けてしまえば、1年間に身近な男性と関係を持つ妻は、それなりの数になりそうですよね。
100万石の加賀藩は4000人近くの男性が参勤交代で移動したのですから、大変な事になっていたのではないでしょうか。

■最後に

竹取物語や源氏物語を読めば、日本は恋心を抱いたら夜這いに訪れたり、男女ともに複数の異性と関係を持つことは良くある事だったのですね。
今時の人は貞操観念が…と言われても、ちょっと納得がいかないのは私だけでしょうか。